星になった少年(毒感想注意報)

 子ゾウと少年のふれあい、若くして散った命、日本の動物園事情提訴、象の楽園件を作りたいという夢、そして主役は柳楽優弥くん*1で実話…こっこれは期待できるかも! きゃあー泣くわよ! 感動するわよ!!
 と意気込んで公開初日に行ったものの。なんじゃこら。
 素材は、素材はいいんですよ! 象のランディも可愛いし、哲夢くん*2役の柳楽くんの演技は絶品だし、タイロケなんかもういきもの地球紀行*3みたいな!
 でも…なにが悪いって、脚本? 演出? そ、それとも監督!?
 台詞に重みがないっていうか、エピソードも軽くて弱くて、入れるべきところに入れるシーンを削ってどうでもいいエピソードねじこんでるかんじ。実話ということに甘えてカンタンに作っちゃったのか、実話にこだわりすぎて物語の基礎をうっちゃってしまったというか。
 とにかくつまんないんだよ! もりあがんないんだよ! 普通のドキュメントでも絶対泣ける話だと思うのに、わざわざ映画作品にした意味がわかんない。ドキュメンタリーじゃないならもっと演出を考えてほしかった。どうしたって事実とズレてしまうことは避けられないんだから、だったらもう少しマシな脚本にしてくださいよ。
 ファーストシーンもありえないし、経営困難を表す表現がアレって安易すぎるし退屈。母親とか学校とかヒロイン(蒼井優)とかとの哲夢への関係性も追いきれてないかんじ。エピソードが唐突で、しかも拾い方が雑。あんな伏線の張り方あるか! 後に繋がらないエピソードなんていらないんだよ! それでも入れたいならもっとサービスシーンにしてよ。
 それとなによりイライラしたのが、「ちょっと前の日本てこんなでしたよね」描写。ダッサ…! ミニワンピ! ヘアバンド! 扇子、お立ち台! プリンセスプリンセス! うおお悶え苦しむ程かっこわるい。あんな演出いらないよー。60年代とかだったら可愛いけど、わざわざ時代性出さなくても。必要ないと思う。昼番組の再現VTRじゃないんだからさ。
 タイでの神様象いたずらもいらない。哲夢が象使いを真剣に目指している決意の表現と、オチにつながる哲夢は象に生まれ変わるんだ伏線なんだろうけど、もっといい表現があるんじゃないの? あんなシーンに時間割かないで、もっとゆっくりタイの子供たちと打ち解ける描写をやって欲しかった。それと何箇所か突然スタジオ仕様*4になってて脱力。そんな微妙に予算削らなくても。セットにする意味もあんまわかんないしさー。只の予算稼ぎだよね。川のシーンもなんとなくしょぼかったけど、あれ合成なのかな。
 スタッフはみんなすごく頑張ったんだと思う。ああいう画とるのに沢山の労力と時間が必要だと思うし、役者の芝居も悪くなかった。象もむちゃくちゃ可愛いし。坂本龍一の音楽は泣けるし。なのになんでできた映画があれなんだろう。
 私は普段、ハズレ映画は見なかった事にして批評とかしない方なんだけど、この映画は惜しすぎて悲しみを通り過ぎて頭にきたっていうか。折角折角素敵なシーンが沢山あるのに! 音楽絶品なのに! もーくやしいよ。でもどうにもできないよ! あわーん
 ああ、とりみだした。「星になった少年最高! 激泣きしました!」って人はごめんなさい。議論したいわけではないので、この日記に怒りを覚えた方はどうかその刀をお納めください! ぶるぶる。映画感想なんて所詮主観の問題なので、あなたが素敵な映画と思ったらそれは素敵な映画なのです。注意報に気づかずうっかり読んでしまって頭にきたら、あなたもブログを書きましょう! そしてそこで思い切り主張すればスッキリすると思うのです!<普段毒感想を書かないので、思い切り逃げ腰。怒られる前にあやまっちまえ!
 そうそう、哲夢くんの夢はお母さんと弟さんが引き継いで、とうとう今年秋オープンするそうです。泣ける。>『勝浦ぞうの楽園』

*1:誰も知らない』でカンヌ国際映画祭 最優秀男優賞受賞。

*2:坂本哲夢。本作品の主役であり、日本で唯一の象使い

*3:NHKの野生動物番組。もう放送は終わったのかな? 現在は「地球・ふしぎ大自然」がそのポストを占めている

*4:非ロケ。あきらかに安っぽい森になってる。ロケの大自然と比べてしょぼしょぼでした。

仕事明け

 かんぴょう、かんぴょうって何? たけのこだっけ? あれ、でも筍って結構硬いよね。かんぴょうってすごくしなしなだから違うのかな? たけのこといえば、しなちく…ちく、ちくわ。違う、竹輪は竹を切った姿に似ているから竹輪というのであって、筍とは関係ない。しなちくのちくは多分竹。しなっとした竹? ていうか竹の子? しなちくが筍なら、かんぴょうが筍でも頷ける。*1
 そんな想いを巡らしながら、かんぴょう巻き*2を食べるうららかな午後。
 ヒャッホーイ、仕事がおわったあ!!! お腹の中の石が溶けて無くなったような、晴れ晴れしくてスッキリした気分です! これで、目覚ましをかけて眠らなくてもいいし、漫画を読む時間を制限しなくていいし(読むなよ)、テレビを絞り込んで視聴しなくてもいいし(見るなよ)、後ろめたい気持ちで映画を見にいったり(行くなよ)しなくてもいいんだ!
 なにより、締め切りを破っている事への罪悪感、強度のプレッシャーによる吐き気、電話が鳴った時の心理的狼狽。それらから開放されるのかと思うと…!! 皆さん、納期は守りましょう! え、お前だけだ? そう…そうデスね…。編集さん、夜中の1時に自宅に電話してごめんなさい。土日に何度も携帯に電話かけてごめんなさい。余裕ですよとか嘘ついてごめんなさい。画面が白くてごめんなさい。もうしません。ていうかしたくない。今回久々に漫画辞めたくなりました。でも辞めません。来年の夏も淳二漫画の依頼よろしくです! もう淳二マスターです。どんなオヤジを描いても淳二になりそうです。
 昨日は最近漫画を手伝ってくれている、砂さんのところへ遊びに行ってました。漫画沢山借りちゃった。ふふふ幸せ。砂さんちにはにゃんことうさぎが居て、とても癒されます…! でもあんまり姿を見れなかったの。フクちゃん(猫)私が嫌いなの!?
 今日はぐだぐだ休みつつ、用事と部屋を片付けていきます。サイトもちょっといじれたらいいな。明日はハロプロコンサート、その後飲み会。明後日もハロプロコン。夜中見にいけたら皇帝ペンギン。日曜は青山の美容院へ、3ヶ月ぶり(女子じゃねえよ私!)にお出かけします。やっと人並みの生活が…!
 まあでも、そんなぎっちり仕事があったわけではないのですが。締め切りに遅れるということと勤勉ということはイコールではないというか、能率の問題ていうか、ジャンプをじゃんぷる*3まで読み込む時間はあったというか、詳しく書くと仕事がもらえなくなるので書けません。

*1:かん‐ぴょう 【干瓢・乾瓢】ユウガオの白い果肉を細長くむき、干した食品。鮨(すし)・煮物の具にする。<…全然違った。

*2:近所の「のんのん」で購入。ここの巻物はなんでもおいちいのv

*3:読者投稿ページ。ポイント制優勝商品が豪華(VAIOなど。15万〜20万予算ぽい)なため、様々なハガキ戦士たちがしのぎを削る。しかしここを読み込んでる成人女性はゼロに近いと思われます。